お家の子がシニアになったときに

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【執筆】
かどのペットクリニック 葛野 莉奈先生
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「お家の子がシニアになったときに」

どんなわんちゃんや猫ちゃんもいずれはシニアになります。
加齢とともに体の変化が起こることは人間と変わりません。
そんなときにお家でのケアや健康管理は若い頃よりもより一層大切になります。
ではどんなことをしてあげたり、気をつけたら良いのでしょうか。
 
〇お家でのケア
中高齢になってくると、まずどんなに健康な子でも筋力が低下したり、
変形性関節症と呼ばれる病気などにより、今までのようにスムーズに動けなくなることが多くなります。
関節など慢性的な痛みがあると、歩き方が背を丸めたり、
尻尾を落とした状態で歩く等の行動の変化や、
触ろうとすると嫌がって怒るなどの性格の変化等で気付くこともあります。
受診をして痛みがある場合の緩和のケアも大切ですが、階段の上り下りの際の、
階段の滑り止めマットなどの設置や、ソファへ上る際のスロープの設置、
お散歩の際に背中や腰を持ち上げる形のハーネスの使用などで運動の際の負担の軽減も日常的にしてあげられると良いでしょう。
 
同時に肥満は関節などにもより負担をかけ、より運動しづらい状況を作ってしまいます。
高齢になると代謝なども低下し、今までと同じフードを食べていても、
体重が増えてしまうと言うこともあります。
その場合フードの見直しをして、適切な種類に切り替える必要も出てきます。
 
また、視力や聴力も低下してくる可能性もありますので、
触れる際に声をかけるなどして安心させてあげるということも大切です。
 
他にも認知症などで昼夜逆転をしてしまう、ずっと徘徊を続けたり、
方向感覚が鈍ってしまい行き止まりのところでずっと動けずそのたびに鳴くようになるなど、
生活にも変化が出てくることがあります。
その際はお散歩など発散をさせる時間を上手く調整したり、
徘徊が気になるようであればずっと行き止まることのしにくい円形のサークルを使用する等工夫をすることで、問題が少し改善されることもあります。
どうしてもひどい場合は投薬での治療なども含め検討することもあるので、
鳴き声などお困りの場合は、相談してみると飼い主さんの負担も軽減されるかもしれません。
 
もっと高齢になって寝たきりになった場合は、床ずれの予防やケア、
感染が起こりやすくなって眼やにが増えたり、
傷になった部分が化膿しやすくなったりすることもあり定期的にチェックしてケアする必要性も出てくるでしょう。
また、体力の低下にも繋がるようになるので、ごはんを食べられているか、
お水が飲めているかのチェックがより大切になります。
ご家族で毎日の変化を共有し、受診の際などに的確に情報が伝えられるよう、
変化を日記のように記録しておくと、状態把握がスムーズにでき、役立つと思いますのでおすすめです。
 
〇健康管理
前述の内容と少し重複する部分がありますが、一番大切なのは体重の変化の把握でしょう。
変わらなければ問題ありませんが、極端に増えてしまっているようであればごはんの見直しが必要となりますし、変わらない量なのに極度に減ってしまっている場合、糖尿病など何か疾患がある可能性が高まります。
最低でも月1回は計測をして把握できると良いと思います。
 
そして食欲の有無です。
シニアになってくると、何らかの病気が出てくることが多く治療しながら生活することになるケースが多いです。
日々の状態の変化として一番把握しやすいのが食欲です。
食べるかどうかだけでなく、食べ終わるまでの時間も食欲や体の状態を表すサインになります。
高齢になればなるほど、いち早く変化に気付く必要があり、小さな普段との変化でも、
重大な体の状態の悪化に繋がることを防げる可能性が高いです。
動物病院と上手に連携をとり、変化をこまめに相談できる環境が作れるとより安心だと思います。
 
そして排泄もチェックすることは大切です。
高齢になって下痢が続くことは、若い頃と比較して、脱水も進みやすく、
栄養が吸収できず、状態の悪化も進みやすい傾向があります。
いつもよりも軟便だったり、下痢が続く場合は、できるだけ早めに受診をして頂いた方が良いかもしれません。
また尿量の増加は他の記事でもお話しさせて頂きましたが、
高齢の場合、腎疾患を示すことがあります。
腎疾患の場合、脱水がひどくなる可能性や血中尿素窒素の上昇により食欲不振が起こるなど、
症状が進行して死に繋がる可能性も高いです。
疑わしい場合はできるだけ早めに受診の検討やご相談頂いた方が良いと思います。
 
そして、命に直結する可能性が高いのが呼吸の変化です。
もともと心疾患を持っていた子や、腫瘍の肺転移などをしている等の場合、
呼吸がしづらくなり呼吸数が増えたり、浅く速くなったり、苦しくて口を開いていることがあります。
他にも免疫力が低下し、肺炎を起こしやすくなることもあり、
その際は呼吸音がゼコゼコという痰の絡んだような普段と違う音になることがあります。
呼吸がしづらいままでいると酸素不足に陥り、最終的には亡くなってしまうこともあるため、
できるだけ早く受診して頂いた方がいいかと思います。
レントゲン検査などは動物病院での検査が必要となりますが、
お薬の注射やお家に酸素室をレンタル等してケアしていく等、選択肢はいくつかあることが多いです。
飼い主さんにもワンちゃんや猫ちゃんにも負担のないケアを相談しながら決められると理想的なのではないでしょうか。
ご家庭の中でもどんな風な介護生活や、最終的には看取りの理想を話し合って、
治療の際にはその部分も伝えて頂けると、より後悔のないケアの計画が立てられると良いと思います。
お別れはさみしいですが、後悔のないお家の子たちのお見送りができたら良いですね。

 

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